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help リーダーに追加 RSS 「刑事司法の犯罪抑止力と冤罪」について

<<   作成日時 : 2005/11/20 17:59   >>

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モトケンさんのブログ記事刑事司法の犯罪抑止力と冤罪で、『冤罪の原因について考えてみようと思った』と書かれている。

私もちょっと考えてみようと思う。
ただ、別に学術論文でも何でもないので、いつものとおり、好き勝手に述べる。


まず、そもそも、「冤罪」というのは、どの段階まで来ちゃって無実だと判明した場合を言うんだろうか。
ホントは無実なのに、裁判所で有罪の判決をされちゃったら、これは間違いなく「冤罪」だろう。
でも、ホントに無実なのか否かは、とりわけ「冤罪」が問題となるような事案では、被告人本人しか知らなかったりする。

有罪か無罪かを判断するのが裁判所だから、裁判所で無罪の判決がでたら「冤罪」ではないとなりそうだ。
でも、捜査段階で身柄拘束がされれば、その人は犯罪者扱いだ。
マスコミも大々的に報道する
無罪判決がでても、また起訴されずに釈放されても、身柄拘束された者は、公私共に、精神的にも肉体的にも、多大な犠牲をこうむる。

ただ、刑事訴訟法は、罪証を疑うに足りる相当な理由等があれば、身柄拘束を認めている。
コイツが犯人に間違いないというレベルじゃなくても、身柄拘束を認める。
無実でも身柄拘束されることがありうることは、法の大前提なのだ。
だからこそ、身柄拘束中の取調べが適正に行われるようにするために、弁護人の立会いや、取調べの可視化、録音・録画が提唱されるのだろう。
そこいらへんのバランスが難しい。


個人的な意見だが、冤罪を生む原因として、まず、犯人性が問題となる事案で、警察官の「コイツが犯人だ」という思い込みが、けっこうマズイと思う。
松本サリン事件の河野さんなんか、ハナっから警察から犯人扱いされ、しかも警察は我々弁護人には「捜査の秘密」と言ってなかなか教えてくれない捜査情報をマスコミには垂れ流し。

先日、国選弁護でやった窃盗事件は、ある商店からタバコが盗まれ、通報を受けた警察署の刑事が、「そういや近所にタバコを盗んで執行猶予中のヤツが住んでたっけ」と目星をつけ、被告人の自宅に出向き上がりこんで自白させ、その場で緊急逮捕した事案だった。
こうした捜査員の機転が、犯罪検挙に繋がることは間違いない。
むしろ、奈良で起きた児童誘拐殺人事件では、前科前歴のある被告人を「野放し」にしていたことが批難されたりしている。
でも、もし、この国選事件の被告人が、ホントはタバコを盗っていなかったとしたら、若干精神に障害のある人だっただけに、身柄拘束されて「自白」したかもしんない。

そんでもって、自白したあとは、捜査機関が犯行のストーリーを作り、それに沿う物的証拠を集め、共犯者や参考人からもそのストーリー沿う供述を得る。
被疑者本人にも、そういう自白をさせる。
なんだかんだ言って自白させちゃえば、あとは捜査機関のストーリーに従って、理路整然とした供述調書が作られる。
そういう事件であればあるほど、信用性や任意性が疑われる調書なんて、できにくいのである。
その経緯で、真犯人に結びつく証拠は散逸してしまったりする。

東京地検特捜部では、共犯事件などで各検事に事件の詳細を伝えないまま被疑者の取調べをさせると聞いたことがある。
各検事が予断を抱いて取調べをすることにより、かえって真実から遠くなるという考えのもと、まっさらな状態で取り調べさせようという趣旨だと思う。

余談だが、民事では過失レベルのことが、刑事では故意になってしまうのが不思議。


私の印象に残っている事件がある。
平成10年10月に宇和島市内で通帳と印鑑が盗まれ農協で預金が引き出された事件で、窃盗と有印私文書偽造、同行使、及び詐欺罪で松山地裁宇和島支部に起訴され、1年以上勾留拘置されていた被告人が、平成11年12月21日の結審後に無実だったことが判明し、平成12年2月21日に釈放、4月21日に検察官が無罪を求刑、5月26日に無罪の判決がだされた事件だ。
高知地裁で窃盗罪で公判中の男が、実は宇和島市の事件の真犯人でもあることが判明した異例の事件だ。

この事件の被告人は、捜査段階で自白をしちゃっていた。
ついこないだ、このブログで記事にした「少年の誤認逮捕と自白」でも、少年は自白していた。
ホントは、自白があっちゃおかしいのである。


話は突如変わるのだが、「冤罪」が問題となる事件で、公判での弁護人による証拠開示請求により、検察官から、被告人に有利な証拠が法廷に出てきたことがあるが、不思議だ。
検察官は、対立当事者である以前に、公益の代表者なんだから、被告人に有利な証拠でもさっさと出すべきじゃないのか。
「公益」には、無実の者を処罰しないことも含まれてるんじゃないの、と思う。
弁護人が法廷で手柄にするネタを用意してくれてるわけじゃあるまいに。

アメリカでは、民事事件でも、ディスカバリーといって当事者に全ての証拠を出させるんだぞ。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
あたし、いつも思っていることがあります。
自分が何らかの事件に巻き込まれたとき、任意同行を求められたら、その場は断ってすぐに弁護士に連絡をする。
また私の家族がストーカー好意をされたら、やはりすぐに弁護士に連絡し、弁護士とともに警察に行く。
特に後者は、警察に相談しているのに、すぐに動いてくれず、結局相談者が被害にあってしまうという事件が続くからです。
とんぼ
2005/11/21 11:25
任意同行を断ると、その場で逮捕されちゃう危険もありますよ。
そのときは、すぐ弁護士呼んでくださいね。
九州は当番弁護の先進地ですから。
PINE
2005/11/21 12:17

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