黒猫さんのブログの記事「司法試験に合格しても弁護士になれるとは限らない」で、私の「私の事務所では、事務所の方針で、暫くは現行試験合格者しか入れない方針」とのコメントに対する、別のロー生さんからのコメントについて、こちらに書きたいを思います。気になる (別のロー生) 2006-02-03 00:33:14 PINE先生の事務所では,なにゆえロー卒業生を差別するのか,教えていただきたいものです。 「なぜ、差別するんだ」と思ってしまう時点で、おしまいです。 ま、それは、あとにして。 現行司法試験合格者しか事務所に入れない方針というのは、パートナーの多数がそういう考えだということです。 それだけの理由です。 私は、人を見て決めたらどうかという立場ですが。 ちなみウチの事務所は、額は少ないですが最初から経費分担を求めるので、新人の加入は、人を採るかどうかという視点ではなく、共同経営者として受け入れるかどうかという視点で考えてます。 他にも、事務所で考えているのは、加入してもらう弁護士は年齢30代半ばくらいまでと考えています。 これは、事務所の継続性等を考えて、年齢的バランスをとるためです。 一度にたくさんの弁護士に事務所に入ってもらうわけではありませんから。 他所の事務所では、KO大出身じゃないとダメとか、地元の国立出はダメとか、いろんな基準を設けています。 基本的に、個人事業者が使用人を雇う構造ですから、こんなもんなんでしょう。 話を戻して、ウチの事務所のパートナーが現行司法試験合格者にこだわるのは、察するに、共通基盤の問題だと思います。 同じように試験を合格して、同じように司法修習を受けて、同じように弁護士になって、というあたりの安心感だと思います。 それに、法科大学院制度は、国(あるいは佐藤幸治先生かな?)が勝手に始めたことで、もともと賛成しているわけではないという弁護士も多いですから、そういった意識も根底にあるのかもしれません。 また、法科大学院からは、当然のことながら、まだ現実に弁護士となっている者がいない。 海のものとも山のものともわからないということも大きいでしょうか。 法科大学院生にこういうことを言うと、「朝から晩まで毎日必死に勉強しているのに」などと的外れなことを言う人がいます。 現行試験で合格してきた弁護士で、必死に勉強をしなかった人はいないでしょう。 それから、「差別」という言葉を使っておられますが、こんな程度のことで「差別」という重い言葉を使ってほしくないです。 雇用する側が、必要な人材を確保するために一定の条件をつけるのは、当然のこと。 むしろ、「差別」だなんて思わずに、「そういう事務所はこっちから払い下げだ!」とか「自分がどんなに素晴らしい人材なのか分かってもらおう!」くらいの気概を持ってください。 そうしないと、道は開けません。 そもそも法律事務所なんて、それ自体たいそうな存在ではなく、「パートナー同士で意見が会わなくなった。」などという理由で、勤務弁護士ほったらかしで離合集散が繰り返されたりするのです。 私が大学4年生のころ、国家T種公務員試験に合格して、採用してもらうために官庁訪問をしました。 東大法学部の学生のところには、官庁の方から「面接に来ませんか?」って電話があるのですが、こちとら私大生なので、いちいち官庁の採用担当部署に電話を入れてアポをとり、会ってもらわなくてはなりません(東大でも、文学部の学生は、たいへん苦労してましたが。)。 そして、面接では、「コイツ私大だけど、採用してみるかな。」と思わせないとダメなんです。 「なんで東大法学部ばかり優遇するんだ。」なんて思ったり言ったりしたら、そこで終わりだし、自分で自分の価値を下げるだけです。 ちなみに、そんなにまでして入った国は、すぐ辞めました。 司法試験に合格しても、私は修習期間が1年半の期でしたので、僅か半年短いだけで、「レベルが下がった。」だのいろいろ言われましたし、合格者の数も多かったので、そこでまた「レベルが下がった。」だのいろいろ言われました。 いろいろ言う人は、いっぱいいるわけです。 そして、現在言われているのが、法科大学院がらみの話になるのでしょう。 法科大学院生は、国が決めた制度に乗っかっている以上、自分ではどうすることもできないわけだから、そういう事柄は所与の前提として、自分の身の振り方を考えてけばいいと思います。 ところで、最近の司法修習生は、やたら就職を焦っているようですが、もともと看板出して自分で商売できる資格なんだから、「就職がない。」なんて慌てないでほしいです。 国が3000人の弁護士を世に送り出すと決めた時点で、激しい就職競争になることは当然の前提です。 そもそも、弁護士増員は、弁護士に自由競争をさせて、弁護士費用を安くさせようという経済界の要求から始まったこと。 私も含め、全ての弁護士が、国策により激しい競争をさせられるんです。 国策によって弁護士業界全体が斜陽産業化していくわけですから、就職が厳しくなっていくのは当然のこと。 私は、司法修習が終わったら地元に帰ろうと思っていましたが、地元の弁護士はほとんどが司法研修所を出たあとすぐに独立開業した人たちで、勤務弁護士を採用するという習慣はなく、勤務弁護士の採用予定は皆無でした。 そのため、私も最初から独立開業する決意を決め、司法修習中のボーナスなども開業資金として残しておき、弁護修習中は事件だけでなく経営的なことも注意して見たり質問したりしていました。 幸い、弁護修習先の事務所の弁護士たちが、「給料は払わないし経費を払ってもらうけど、一緒にやらないか。」と言ってくれ、お給料をもらうより得るものが多いだろうし、一から開業するより初期設備投資費用を抑えられると思い、経営弁護士として入所させてもらいました。 これは、運が良かったと思いますが、はっきり言って就職にかぎらず、運やタイミングは大事です。 別の事務所に弁護修習に行っていたら、地元で開業していたでしょう。 そういえば、私は司法試験に合格した時点で30を超えていたので、東京の法律事務所に事務所訪問に行ったとき、とっても冷たい扱いをされたことがあります。 ですが、「ま、そんなもんだろ。」と思いました(こっちも東京での就職は考えていませんでしたし。)。 それでも、訪問先の事務所の弁護士は、忙しいのに時間を割いて会ってくれたわけで、感謝しました。 ウチの事務所もそうですが、採用の予定が一切無い場合は別として、採用を考えているとしたら、そもそも会うことすらしないという法律事務所はないと思います。 そこで、自分をアピールする機会はあるわけです。 その事務所の採用方針をひっくり返せる何かを持っていれば、良いのです。 一企業で大量に何百人と採用する業界であれば,「総合職は大卒のみ」などといった枠をかけるのも合理的かもしれません。 むしろ逆でしょう。 何百人と採用するのであれば、条件を絞り込まずに沢山採用して、使える人間だけ残して、あとは出て行ってもらえばいいのです。 「はい、契約期間満了。雇用を継続しませんから、荷物まとめて出てってください。」で済みます。 ですが、少ない人数しか採用しないのであれば、それだけ欲しい人材の条件を絞り込み、慎重に採用するのです。 |
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PINE's page 2007/03/28 10:26 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
>それから、「差別」という言葉を使っておられますが、こんな程度のことで「差別」という思い言葉を使ってほしくないです。 |
モトケン URL 2006/02/03 23:42 |
>「なぜ、差別するんだ」と思ってしまう時点で、おしまいです。 |
ねどべど 2006/02/08 10:52 |
こういうの見ると安心しますね。ご自分(白浜氏)が淘汰されるとは露ほども思ってらっしゃらないところが、あぁ弁護士だなあ、って感じます。 |
でるピエロ 2006/02/10 09:34 |
「そもそも弁護士増員のメリット・デメリットは…」というでるピエロさんのお話には賛成しますが,他の部分は…う〜ん。 |
ねどべど 2006/02/11 00:14 |
黒猫先生のブログにコメントした者です。 |
別のロー生 2006/02/11 00:28 |
ねどべどさん |
でるピエロ 2006/02/11 06:08 |
トラックバックを送らせて頂きました。 |
yuukinohana URL 2006/02/11 07:55 |
>別のロー生さん |
PINE 2006/02/11 10:17 |
旧試験組しかとらないなんていってたらそのうち供給源がなくなって事務所は消滅する運命ですよ。 |
まっ 2007/03/20 23:39 |
ついでながら、差別といっても法律事務所の採用は社会的影響が小さいから許される差別だとは思いますけどね。 |
まっ 2007/03/20 23:50 |
法律のプロが堂々と年齢差別宣言するとは看過できませんね。 |
やすだ 2008/08/17 18:59 |
PINEさんの場合、違法ではないと思いますよ。 |
やすださんへ 2008/08/29 00:03 |
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