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昨日は、電車にガタゴト揺られながら、遠い遠い裁判所に、日帰りで行ってきた。 管轄裁判所がどこなのかってことは、本当に重要な問題だわな。 私は、仕事で、お客さんから、契約書のチェックなどを依頼されることが多いが、その際、契約書には、合意管轄条項を入れてもらうことにしている。 合意管轄条項というのは、その契約について紛争となった際に訴訟を起こす裁判所を、あらかじめ合意しておく条項だ。 民事訴訟法合意管轄条項があるからといって、必ずしも合意した裁判所でしか裁判が行われないわけではないが、少なくとも、合意した裁判所に訴えを提起することは認められる。 以前、ウチの事務所の近くにある会社から、子会社の訴訟事件を依頼されたことがあった。 その子会社は、非常に遠い田舎にあり、被告となる会社も、これまた別の遠い田舎にあった。 訴訟の管轄は、子会社の所在地か被告となる会社の所在地だが、どちらにしても、「何で、こんな遠いところで・・・。」という裁判所だった。 幸い、その事件は、訴状が被告に送達されたら、第1回口頭弁論期日前に全額支払ってきた。 遠い裁判所での訴訟では、電話会議という仕組みがあり、被告事件で第1回口頭弁論期日を欠席して答弁書を擬制陳述し、その後、証人尋問も行わないで裁判上の和解が成立したりすると、結局1回も裁判所に行かなくても済むこともある。 じゃあ、管轄裁判所の合意なんてしなくていいじゃないかと言われると、そんなことはない。 原告として裁判を起こす場合には、原則として第1回口頭弁論期日には、出廷しなくてはならない。 弁護士に支払うおカネにしても、報酬以外に、旅費や日当も発生する。 また、私が仕事をしているような田舎だと、裁判所の裁判官の人数も多くなく、日常事件で接しているので、地元の裁判所で訴訟を提起すれば、個々の裁判官がどういう人柄で、どういう訴訟の運営をする傾向があるかがわかる。 もちろん、裁判官は、証拠に基づき法と良心に従って判断するので、白が黒になることはないのだが、やはり地元の裁判所で事件を処理できることは、プラスなのだ。 さきほど、電話会議の話をしたが、裁判ではなくて、遺産分割などの家事調停の場合は、電話会議が使えない。 なので、遠い遠い実家に住んでいた父親が亡くなり、父親と同居していた長男相手の遺産分割調停を次男から依頼された場合、それが日本の端から端に行くことになっても、対応しなくてはならない。 管轄裁判所が遠い場合、その裁判所の近くに事務所がある弁護士に依頼するのが良いか、それとも自分が住んでいる場所の近くの弁護士に依頼するのが良いか、ときどきお客さんから尋ねられることがある。 私は、基本的には、自分が住んでいる場所の近くの弁護士に依頼することを勧めている。 私は、依頼者との相談や打ち合わせに時間を多く費やすタイプなので、私の業務スタイルからは、そういうアドバイスになる。 裁判所へは、実際に出廷しなくてはいけない場合でも、せいぜい1〜2か月に1回なのである。 話は、突然、管轄から契約書の話になるのだが、契約書のチェックをしていると、契約の解消に関する条項が無かったり、あっても不十分なことが多い。 お客さんに指摘すると、「いやぁ、これからせっかく取引を開始するのに、やれ債務不履行だの、契約の解除だの、損害賠償だの、相手が気分を害してしまいますよ。」なんて、言われたりする。 確かに、相手との力関係によっては、「そりゃ、シカタネェだろうな。」と思うこともあるが、「アンタ、こういったことをチェックしてほしくて、オレに頼んでんじゃないの?」と思う。 だいたい、誰でもわかることだと思うが、契約当事者間の関係がうまくいっているときには、契約書が問題になることはない。 契約当事者の関係がうまくいっていれば、何か問題が起きても話し合いで解決できてしまい、契約書を持ち出す必要はない(ま、理屈をつければ協議条項によって協議して解決したことになるのだろうが。)。 契約書が威力を持つのは、契約当事者の関係がマズくなったときなのである。 そうしたときに、取引の内容はどうなっているのか、どういう場合に契約関係の解消が認められるのか、損害賠償についての取り決めはどうなっているのか、そしてどこの裁判所に裁判を起こすことができるのか、などが問題となるのである。 契約書といえば、以前、あるお客さんから、複雑な契約書の作成を依頼されたことがあった。 契約書の作成にあたっては、担当者と何度も打ち合わせを重ね、案文を何度もやり取りして手直しを繰り返し、最終的に社内決裁を済ませたうえで、納品した。 その後、お客さんから、その契約相手との交渉の席への立会いも依頼され、実際に立ち会った。 その席で、相手方からは、「この契約書、本当に、弁護士が作成したんですかぁ〜?」みたいなことを言われた。 「ええ、そうですよ。」と言いながら、改めて契約書の中身を見ると、個々の条項が書き換えられており、その結果、全体としての整合性がグチャグチャになっていた。 契約書作成にあたっては、個々の条項をきちんとすることは当然だが、全体としての整合性というものも目を配る必要がある。 その契約書も、お客さんから個々の条項の修正の希望が入るたびに、50条弱に及ぶ契約書の全体を検討しなおし、完成させたものだ。 ウラで担当者に確認したら、「社長に見せたら、やっぱりココはこうした方がいい、あそこはこうした方がいい、と言うので、コチラで書き直しました。ウチの契約書だから、問題ないでしょ。」と言われた。 後で直されたらどうしようもない。 相手方からは「アホな弁護士」と見られただろうが、交渉の場で、「私はきちんと仕事をしましたが・・・。」みたいな言い訳をして依頼者のせいにするわけにもいかず、ちょっと困った。 |
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